善意の経営
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最近流行っている経営理論、経営手法に、「なんとかの見える化」(営業プロセスの見える化、業務の見える化、製造工程の見える化など)とか、オープンイノベーション(自社だけではなく、多くの社外の人たちを巻き込んで行っていく開発手法)がある。いずれも情報を囲い込んだり分かりにくくするのではなく、分かり易く誰でも見える、取り組める状況に置けば、問題が解決し易くなるという発想だ。
プラットフォーム戦略と言われる、業界全体が乗っかっていけるようなビジネス基盤を提供することで、その基盤を提供する会社の収益も良くなっていくという戦略もある。グーグルなんてその典型で、Gmailやグーグルマップなんか、生活に欠かせないサービスを無料で提供することで、実は莫大な利益をあげている企業もある。奇跡的な再生を果たした日本航空も、稲盛さんが持ち込んだフィロソフィーとアメーバ経営がその鍵になっている。人間として当たり前の「善悪で判断する」という様なことを、高学歴集団の同社に持ち込み、利益を上げることを悪いこととは見なさず、そして収益を個別に見える化していった「だけ」で高収益企業に生まれ変わったのだ。当時(今も)の苦労は、当たり前過ぎて簡単過ぎるフィロソフィーを大人でプライドの高い同社の社員に叩き込むことだったと、稲盛さんも述懐していた。
こうしてみると、どれも見える様にしておけば、当たり前のことを当然出来る様にしておけば、成果は出てくるものだということだ。それは人間の善意や、出来れば進化、向上したいという気持ち(向上心)に依拠していることが分る。駄目な状態が晒されていてば改善したくなるものだし、悪い収益状況が自分が管理出来る範囲内で分っていればこれも改善したくなる。過去の慣習にとらわれずに物事を善悪で判断しなさいと教えられれば、その様に出来るものだ。
人間の善意や良心の力は偉大なものだ。当社でも活動のすべてを社員が共有し、おせっかいの様にお互いがコメントし話し合い、そして数字も明確になっている。そういう仕組みを作るだけで物事は改善され、比較的スムーズに複雑な案件が進捗していく。人間の善意と良心、向上心を信じる経営、これはこれからも継続していきたいと思います。