TOPプロジェクト紹介番外編〜営業という働き方

プロジェクト紹介

番外編〜営業という働き方

「お客様の“困った”を何とかする仕事」
~セールスマン不要の時代、
だからこそ頼りにされる環境機器の営業~

営業職は、ものを売るのが仕事。一人ひとりに売上ノルマが設定され、成績によってボーナスが増えたり、表彰されたり……という通常のシステムは、環境機器の営業にはまったく当てはまらない。一応目標はあるものの、未達でもペナルティはなく、そもそも成績に対する評価がない。そんな企業での営業職とは、一体どのような仕事なのか。営業担当の4人が語り合った。

いわゆる“セールスマン”とは決定的に違う

中根佳子(以下・中根):私は新卒入社で、川上さんもほぼ同じような経歴です。だから営業については環境機器のやり方しか知らないのですが、他社で営業経験のある三浦部長からみるとどう思われるのでしょう。

三浦克之(以下・三浦):正直いって“変”です(笑)。対して前の会社で私がやっていた仕事こそが“The 営業”。営業車に商品をたくさん積んでまわり、お客様に見せて選んでもらって、伝票を書いて「ありがとうございます!」と帰っていく。一日にどれだけ訪問して、どれだけの注文をとってきたかを重視するスタイルです。もちろん、これが悪いなどという話ではありません。けれども、ネットを使えばお客様が自分で何でも調べられる時代に、限られた商品だけを見せて買ってもらうやり方は、もう合わないと思いますよ。そういう意味では、「売り込み」が前提でない訪問営業、という当社の営業スタイルに、最初はびっくりし、少し経ってからずいぶん合理的だと納得しました。

藤井智之(以下・藤井):たしかに普通は売り上げのノルマがあって、それをクリアするための売り込みは当然となりますよね。これに対して環境機器の営業は基本的に、お客様の困りごとを我々の扱う商品や情報を提供して解消するスタイルですね。

川上裕志(以下・川上):私も他社での営業経験がないのですが、少なくとも当社の営業は単なる物売りとは違うと思っています。その理由はおそらく、対象が「虫」だからじゃないでしょうか。虫はそれこそ千差万別、駆除の現場もお客様ごとに異なります。だからお客様の第一声は「この虫は何?どうしたらいい?」となる。この問いに答えるのが、私にとっての営業の仕事です。とはいえ私も実際には営業開発部に相談しているわけで、お客様からすれば私のバックに、虫や薬剤の専門家の姿が見えているような気がします。

三浦:その意味でも無料セミナーによる情報提供は、営業面でも大きな役割を果たしていると思いますね。

相談すれば答えてもらえる日報システム

藤井:お客様と話していて感じるのが、虫の駆除業者さんはあくまで駆除施工のプロだということ。現場に応じた薬剤の施工法は熟知されていますが、虫の生態についての専門家ではない。だから、我々に頼ってくださるのだと思います。

中根:その意味では、異業種から移ってこられた三浦部長は、馴染みのない虫の駆除業者さんへの対応に慣れるまで苦労されたんじゃないですか。

三浦:そうですね。私は中途で入ったから、お客様を前任者から何社も引き継いだわけです。最初から戸惑いがなかったといえばウソになりますが、実は困ったりしたことはほとんどありません。その理由は、日報ですね。お客様とのやり取りが、営業訪問での面談内容まで含めてすべて日報に網羅されている。これを見れば、それこそ、そのお客様との初回の商談まで遡ることができる。それまでの経緯や取引状況などは、データベースで全て確認できるのでスムーズでした。

中根:そういってもらえると、システム構築も担当した私としては苦労したかいがあります。

藤井:私も転職組ですから、当社では日報が全社員に共有され、しかもみんなでコメントを付けあってコミュニケーションしているのにびっくりしました。そして、おそらくは社長がいちばん細かく見てくれているんじゃないでしょうか。営業から戻って日報を書いて、夜にアップしておくと次の日の朝にはコメントが付けられていますから。

川上:自分の日報に寄せられる、いろんな人からのアドバイスだけじゃなくて、他の人の日報も参考になりますね。まあ、営業マンとお客様の話なんて、たいてい同じような流れになることが多い。そこでお客様からの問いかけに他の人はどう対応しているのか。なにげないひと言が、自分にとってのヒントになったりしますから。日報システムも、私が入った16年前からずいぶん進化しましたね。

中根:最初はそれこそメールベースでのやり取りでしたから、今のクラウドシステムとは雲泥の差があります。ただ、この日報のような仕組みをつくって、仕事を効率的に回していくんだというのは、当初からの社長の強い思いでした。

藤井:私が入ってからでも、何度か大きなシステム改修があったでしょう。変えることを厭わないというか、新しいことを柔軟に取り入れる姿勢を強く感じますね。

三浦:営業部としてひと言加えるなら、営業事務の皆さんにはほんとに助けてもらってますね。ごく限られた人数で、受注をテキパキとさばいてくれる。それもWebでお客様が自ら注文してくれるだけでなく、Faxで発注書が届いたり、電話注文もまだあるじゃないですか。しかも我々が発注するメーカーさんは、各社締切りの時間がぜんぜん違うという。そんな状況の中で、可能な限り速く納品できるよう仕事を回してくれる。だから我々営業は、お客様からの相談に集中できる。

藤井:そうですね。西には足を向けて寝られませんね(笑)

ペナルティがない、だからモチベーションが高まる?

中根:あらためて、うちの特徴はなんだと思いますか?三浦部長から見てどうですか。

三浦:例えば日報一つとっても、みんなの向き合い方が違うんじゃないですか。普通なら営業マンは報告書に自分にとって都合の悪いこと、例えばミスしてお客様に怒られたなどとはまず書きませんよ。そんなこと書いたらマイナス査定されるわけですからね。

川上:それだと困ったことがあっても、誰にも相談できないってことになりますね。

三浦:ところがうちは、誰かが困っていたら、みんなで解決しようというスタンスでしょう。みんなで相談して決めたことなら、稟議などなしで「やったらいい」となる。何かをやろうとして社長が「ダメだ」などということはないし、基本的にいつも必ず何かアドバイスしてくれる。これが本来あるべき理想だと思いますが、実際にできている会社は少ないんじゃないでしょうか。

藤井:ノルマとはいえないのかもしれないけれど、営業担当にはそれぞれ目標はありますよね。

中根:そうですね、目標はあったほうがいいですからね。だからといって目標達成できなかったといって個人が責められるわけでもないし、逆に一人だけ目標をクリアしたからほめてもらえるわけでもない。そんな状況での川上さんのモチベーションって何ですかね。

川上:お金です、とは答えにくい雰囲気ですね(笑)。ただ正直なところ、お客様に喜んでもらえるのがうれしい。これは嘘偽りのないところです。虫の問題って本当に難しくて、お客様はいつも何かに困っている。その問題解決のお手伝いをできている実感、これがやりがいですね。

藤井:そこは同じですね。お客様に喜んでもらえる仕事に携わっているというのは、かなり幸せな仕事人生だと思います。

性善説で動く組織

川上:今回のコロナ禍で実感したんだけれど、うちは以前から完全リモートワークだったなと。

藤井:確かに東京営業所はあるけれど、基本的に直行直帰でしたし、自宅で仕事していることも多かった。

中根:どこにいても仕事に差し支えないようにと、クラウドシステムを整備していましたし、仕事に必要なものは、基本的に会社がすぐに支給してくれますしね。

三浦:そうですね。パソコンなども必要があればすぐに買い替えをしてくれますが、その分道具がない、道具が古いからできないという言い訳はできませんけどね。

藤井:結局は社員一人ひとりが「信頼されている」感を強く持っているんじゃないでしょうか。だから目標のあるなしにかかわらず、あるいは評価される・されないに関係なく、みんながベストを尽くそうとしている、という気がします。ただ、自分の判断で行動することを信頼されて任されている分、ミスをしたときには責任を感じますけどね。

三浦:営業マンなどは監視していないと、すぐに悪さすると考える経営者も多いんじゃないかと思うんだけれどね。その意味ではうちの社長は「性善説」を行動原理として徹底している点が、出色だと思いますね。

川上:もう一点は「利他」ですよね。業者さんに知識をつけてもらうことが大切と以前から社長は言っていますが、20年以上も無料セミナーをこれだけの回数、継続して開催しているのは、すごいことだと思います。

三浦:そういう姿勢が、まわりまわって「何か必要なものがあるときには、まず環境機器に相談しよう」となるのかな。

中根:結局、うちで仕事をするというのは、特に営業職を務めるというのは、皆さんにとってどういうことなのでしょう。

三浦:営業とはまず最初に自分を買っていただくことだと思います。

川上:そのために相談されやすい環境をつくるのが、営業の務めといえるかな。

藤井:お客様との信頼関係をつくって、お客様からの信用を醸成することだと思います。

中根:お客様が困ったときに、まず最初に思い浮かべてもらえる存在になること。それが私たちの目標ですね。